「ルールをもっと破れば良かった」
「ルールをもっと破れば良かった」
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僕にとっては衝撃の一言だった。
新卒で入った会社での話。当時の超スーパーウルトラハイパートップセールスの方の退職の挨拶だった。あらゆる記録を打ち立て、後輩からも慕われ、先輩や他部署・他社からも相談を受ける。どこにいっても生きていけるような強い方だった。今は世界を飛び回り仕事をしてらしゃる方。そんな方と同じ部署で3年ほど仕事をしていた。
その方は事業部のルールやセオリーを忠実に守りながら、圧倒的な成果を出していた。ストイックさゆえに、ルールの上だけで戦っていた。しっかりと成果も出されていたので、普通の人ならそれで満足する方も多いかもしれない。新しい道が見つかったとのことで退職されたのだが、その時の挨拶が冒頭の一文から始まるものだった。
かの有名な、侍ジャパン・WBC決勝戦前の大谷翔平選手のスピーチの、「憧れるをやめましょう」と同じような衝撃を当時受けた。
会社員や組織で働く以上、ルールを守らなければならない部分は当然ある。が、起業したり事業を自分で動かすときなど、ルールなどあってないようなものだ。というか無い。
後日談、そのスピーチの本意は、既存のルールを破れということではなく、新しい仕組を自分たちで作っていこう、というメッセージだったということをご本人から伺った。そうだよなと。既存のレールで戦うことは誰でもできるし、代わりになれる人はいくらでもいる。新しい仕組みや仕掛けをを作って、そこにどれだけ血を通わせるか、愛があるかだよなと。
誰かが作ったルールの中で100%の成果を出すことも素晴らしいこと。しかしそれ以上に、ルール外で120%の力を発揮し、価値を作ることが求めらるのが社会だというのも事実。見えない誰かの目を気にしすぎて、がんじがらめになっていないか。
今、コワーキングスペースの経営をしていて全く同じことを思う。ルールなんて一つもない。これをやったらダメ、これをやらなきゃダメ!という固定概念やセオリーもあるようでない。でも、知らず知らずのうちにどこか縛られていることもある。そんなときは冒頭の一文を思い出す。
今日もルールという名の固定概念を破っていこう。
この記事を書いた人
吉永 亮(Yoshinaga Ryo)
1985年、兵庫県西宮市生まれ。立命館大学経済学部を卒業後、楽天グループ株式会社・株式会社ビズリーチ・株式会社ジェイエイシーリクルートメントと、IT・人材領域での経験を積み、2019年にコワーキング&イベントスペースを開業。 “成長・共創・つながり”が生まれるコワーキングスペースとしてコロナ禍真っ只中にOPEN。プロスポーツチームやスタジアムの在り方をコワーキングに転用し、”大阪でいちばん巻き込まれる場所”を作りつづけている。2024年のGRANDSLAMのスローガンは「ドラマチックコワーキング」。